やっと見つけたわたしの居場所。
今だから、話せること。
末永文子さん(NPO法人 しんせい)
原発事故で避難を余儀なくされた人たちのなかには、
障がいをもった人も少なくありません。
福島県郡山市のNPO法人 しんせいは、
「ここで仕事をつくる、未来をつくる」
「誰ひとり置き去りにしない」を合言葉に、
原発事故で被害を受けた
福島県内13の障がい者福祉作業所と協働する、
就労継続支援B型事業所です。
シナモンの風味ととろける食感の「魔法のおかし ぽるぼろん」や
「縁起菓子 ふくふく」、オリジナルのデニムグッズ、
雑貨、園芸品など、ユニークな商品と活動で定評があります。
『のんびる』編集部がお邪魔するのは、
2015年3月号、17年3月号に続いて3度目。
いつ来てもアットホームな雰囲気にあふれた、すてきな作業所です。
「利用者の方にインタビューをさせてほしい」。
しんせい事務局長の富永美保さんにそうお願いして、
ご紹介いただいたのが、末永文子さんです。
震災後、避難先を転々とし、
1年ほど前からしんせいで働き始めています。
「この8年は、短いというよりは長かったです。
何年たっても、3月11日になると、
どうしてこんなことになってしまったんだろう、
と考えてしまいます。
震災では、高校の同級生を亡くしました。
何日か経ってから、新聞で知ったんです。
あの日、あの時間のことは、つらくても、
ずっと忘れたくない」
その言葉を受けて、富永さんは続けます。
「何事も月日が流れると、風化していきます。
そのなかで原発から避難した人たち、
障がい者やお年寄り、弱い立場にある人たちは、
なかなか自分から声をあげられない。
私たちがそばにいて何ができるかわかりませんが、
〝そばにいたい〟という想いをいつも抱いています。
いろんな支援のかたちがあるけれど、
結局は人のつながりですよね。
今日は私にとっても、大切な時間になりました。
末永さん、ありがとう」
どこかしんみりした雰囲気のなか、あたたかな日がさしこみ、
作業場が少し明るくなりました。
◆特定非営利活動法人しんせい
しんせいの手づくりグッズなどの詳細は、WEBサイトをご覧ください。
〒963-8022 福島県郡山市西の内1丁目25-2
TEL/FAX:024-983-8138
Mail:salon.shinsei★sky.plala.or.jp ※★を@に変えて送信してくだださい。
この記事は、3月号でご紹介しています。
◆『のんびる』2019年3月号 目次
◆ただいま注文受付中!こちらからお申込ください。