未来に正しく伝えるために・・・。
土と生きる私の「最後の仕事」
「おひさまシェアリング」代表 香取政典さん(千葉県香取市)
佐原農産物供給センター代表理事の香取さんが取り組む「ソーラーシェアリング」。
作物を育てる畑の上で太陽光発電するシステムで、
パルシステムでんきの発電産地の1つです。
そこには香取さんが「最後の仕事」と語る熱い想い、人生哲学が宿っています。
文明を享受した者の責務、
生き方を変えたという実感、
子や孫の世代に伝えたいもの、伝えるためにできること
香取さんにお話をうかがいました。
空から見た「おひさまシェアリング」
私が太陽光発電に取り組むきっかけは、
6年前の福島第一原子力発電所の事故でした。
経済優先で、地方を犠牲にして、自分だけが文明を享受して生きていくことが、
果たして正しいのか。
そう自問自答したんです。
ここに太陽光発電があるのは、私自身のためでもあります。
「世の中、やはりお金だ」「便利な生活にはかなわない」、
そんな欲望に心が揺れ動いたとき、
「6年前に戻ろう!」と自分を律してくれる。
そんな存在です。(香取さん)
◆ソーラーシェアリングって?
農地を作物つくる場として維持しながら、
その上部空間に太陽光発電の設備(太陽光パネルなど)を設置し、
発電する仕組み。
一般的には「ソーラーシェアリング」「営農型発電設備」と呼ばれる。
農業と地域振興策としても注目を集める。
◆佐原農産物供給センター
パルシステムの産直産地。
火山灰を多く含む豊かな土壌が広がる北総台地で、
サツマイモや人参などの根菜類などを栽培。
食の安心・安全のため、独自の基準を設けるほか、
生産技術の向上や新品種の導入にも積極的に取り組む。
女性部「農め~くくらぶ」による交流活動など、
生産者と消費者(パルシステム組合員)の顔の見える産直交流も盛ん。
2014年には産地ぐるみで農業者を育てるため、
株式会社修農者を立ち上げた。
撮影/坂本博和(写真工房坂本)
この記事は2017年8月号でご紹介しています。
◆『のんびる』2017年8月号 目次
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